かなもりゆうこ展 Memoriae メモリエ
Yuko KANAMORI Memoriae
2012年2月27日(月)~3月17日(土) 12:00-18:00 日曜・祝日休み
新作映像とインスタレーション


video still

●パフォーマンス〈失われた島への到着の仕方〉
2012年3月17日(土)18時~と19時~の2回 各 定員20名 料金1000円 要予約 

パフォーマンス〈失われた島への到着の仕方〉  3月17日(土)18:00~
かなもりゆうこ(構成・演出)x 納谷衣美(出演)

“Memoriae”とは記憶、思い出を意味します。
一日の思い出、など個人の記憶というのもありますが、記憶の総体である私たちの永きにわたる営みということにロマンを感じます。
対して忘却ということも一つの魅力的な側面です。
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私は昔から子供の様子を捉えることを楽しむ時間を過ごしてきましたが、子供の大きな特徴は忘我と熱中にあります。
我を忘れるような世界が向こうからやって来るのです。本当にすごいことだと思います。
そして人間は忘れる生き物であり、それに頼ってしか生きていけない面があるものの、忘れたふりをしていた無関心な私たちと
いうことにぞっとさせられた昨年でした。私たちは歴史を忘れ、歴史も私たちを忘れます。その現実の前では立ち尽くすしかなく、
これはもう立ち尽くし方、どう立ち尽くすかが大事と感じました。

新作〈Memoriae〉(映像と小品のインスタレーション)とその関連パフォーマンス〈失われた島への到着の仕方〉は、
慣れ親しんだ動き・事物を引きつづき巡りながら作っています。忘却の吐息のすぐそばで、体の内側や外側へ旅をして、
記憶の編み目に消えたように見える鍵語をたどり事象化します。それは無意味なことを繰り返し、
意味へとたどり着こうとする旅かもしれません。しかしこれが本当に無意味なことなら、
むしろその無意味さを最後まで味わいたいと思います。なぜならこの感覚は、味わわれるより外にないものだからです。
そして私たちは理性によってではなく、感情により陶冶される存在なのだと思うのです。
~アーチストステートメント 2012 より

かなもりゆうこ 略歴
1968年  兵庫県神戸市生まれ。
1990 京都芸術短期大学立体コース卒業。
1996 『子供の情景展』/三重県立美術館(三重)
   『水戸アニュアル’96  プライベートルーム−写真としての日常』/「わたしの花が水を」/
水戸芸術館(茨城)
1999 『Compact Disc Art−CDというメディアの饗宴』神戸アート・ヴィレッジ・センター(神戸)
    『アート・スウィート・ホーム』/「明日の家」「眠りの保護」/広島市現代美術館(広島)
2004 『sotto—working with children かなもりゆうこ+名和晃平』/「telepathy」京都芸術センター(京都)
2008 『大阪・アート・カレイドスコープ 2008 大阪時間』/「ヴァリアント」/芝川ビル(大阪)
2009 『さまざまなときのフラグメント』/shin-bi(京都)
2010 『トショモノ』 ギャラリーほそかわ(大阪)