大﨑のぶゆき個展「マルチプルライティング」 Nobuyuki OSAKI “Multiple Lighting”
2017年3月28日(火)~ 4月22日(土) 12:30-18:30  日曜、月曜休み

本展は、描いたドローイングが溶け流れて消えていく映像作品と、その瞬間を撮影した写真作品、
版画や古典技法を応用した特殊な絵画、そして鏡で構成される展覧会となります。これらのイメージは、
友人や知人など場所や時間の異なる個人史を元に制作され、鏡は絶えず「現在」を映し出しています。
これまでの制作に対する思考を反芻し、「過去/現在/未来」という概念から世界を問いかけようと試みています。
タイトル「マルチプル ライティング」は、マサチューセッツ工科大学のブラッド・スコウ博士の「過去・現在・
未来は同時に存在しており、スポットライトが照らすように現在がその空間を移動していく」という時間論である「相
対論的スポットライト理論」にインスピレーションを受け、また空間を構成する作品の素材や技法に「光」を扱う
ことから、「マルチプル/多数の・多様な」「ライティング/照明装置」として名付けられました。様々な方法で制
作される作品で構成する空間は、確定した「過去・現在・未来」があるのではなく並行世界の可能性、すなわち「ス
ポットライトが当たる現在は無数の可能性がある」ということを示唆します。
本展は、表現がもたらす「ある/ない」「消える/消えない」「見える/見えない」「光/闇」などの様々な両義性の
「間」によって、この世界について思考する装置となるのではないでしょうか。     大﨑のぶゆき

大﨑のぶゆき(おおさきのぶゆき)
1975 年 大阪府に生まれる
1998 年 京都市立芸術大学美術学部美術科版画専攻卒業
2000 年 京都市立芸術大学大学院美術研究科修了
2003 年 大阪府芸術家交流事 ART-EX 選出によりデュッセルドルフにて滞在制作
2008 年 公募 京都芸術センター 2008 個展 京都芸術センター)
2011 年 Haut. Mythos und Medium 展(Kunsthaus Hamburg、ハンブルグ)
2012 年「現代絵画のいま」(兵庫県立美術館)
2012 年「ポジション 2012」展(名古屋市美術館)
2013 年 VOCA 2013 展(上野の森美術館)
2015 年 「未見の星座」展 (東京都現代美術館)
おもな受賞歴:
2009 年「第 12 回文化庁メディア芸術祭」 審査委員会推薦作品
VOCA 2013 佳作賞
2015 年名古屋市芸術奨励賞、
平成28年度大阪市咲くやこの花賞(美術部門)受賞。
おもなパブリックコレクション:
京都市美術館、町田市立国際版画美術館、京都市立芸術大学資料館、三戸町立現代版画研究所、
和歌山県立近代美術館(田中恒子コレクション)、千島土地株式会社