林勇気 個展「STAND ON」
2015年11月24日(火)~12月19日(土)
日曜・月曜休み 12:30~18:30

 video still ©Yuki Hayashi 

国内外で活躍する映像作家の林勇気(はやしゆうき)の新作展のご案内を差し上げます。
林勇気は1976年に京都に生まれ、1997年から映像作品を制作し始めます。 一見CGのように見える林の映像作品は、
身近な風景や身の回りのものをデジタルカメラで撮影し一コマずつ切り抜いてはパソコン上で緻密に貼り合せていく
という独自の制作手法を用いてつくられたもので、現実上のモチーフによって構成されています。 
また最近はインターネット上の膨大な写真画像から抽出したものを貼りあわせてつくった映像作品を発表しています。 
インターネット空間で膨大に消費されている情報、アノニマスではあるが世界のどこかのだれかの現実が根拠であるもの、
林の映像作品には大切なものを見失わないように世界を埋めつくすそれらの隙間にあるささやかなものをすくい上げようと
する眼差しが強く感じられます。 
今展は、異なる複数の場において撮影したさまざまな映像を音声と共に同時に展示するという試み。
賽子の目という偶然性を拾いながら不確かな現実を探るために小さな旅に出た。 

「ある映画をみた。
よくありそうなこんなストーリーだった。
世界は核の脅威にさらされていた。
けれど暴力と痛みと犠牲を伴いながらも、
とりあえず世界は救われて未来へ向かっていく。
子供の頃はこの映画の内容のように世界が危ういバランスで成り立っていると、
様々な事から毎日のように考えていた。
現在の状況は複雑化しているけれど基本的にはかわっていないと思う。
大きな矛盾を抱えたまま世界と時間は進んでいる。
迷子のように。

世界の確かさを確認するための行為と、
世界を成立させるためのルールを映像にした。
それぞれの映像はゆるやかに関係しあっている。

ここに立っている?
この先は続いている?

そんな問いかけがいつもぼくの根元にある。」 アーチストステートメントより

林勇気(はやしゆうき) プロフィール
映像作家。1997年より映像作品の制作を始める。国内外の美術展や映画祭に出品。自身で撮影した膨大な量の写真を
コンピュータに取り込み、切り抜き重ね合わせることでアニメーションを作る。その制作のプロセスと映像イメージは、
デジタルメディアやインターネットを介しておこなわれる現代的なコミュニケーションや記憶のあり方を想起させる。
主な展覧会: 2011年「あること being/something」(兵庫県立美術館)、
「HUMAN FRAMES」(Kunst im Tunnel / ドイツ 、Substation/シンガポール)、
2013年「あなたがほしい i want you」(WELTKUNSTZIMMER / ドイツ)、
2014年「窓の外、恋の旅 -風景と表現」(芦屋市立美術博物館 / 兵庫)、
「HOME PARTY_2」(みずのき美術館 / 京都)、2015年 「アンカラ国際映画祭」(トルコ) など。